季節のフルーツ紹介 第5回 グースベリー(Gooseberry) 栄養成分とその効能

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以前の南国フルーツ紹介からもれてしまった、日本でも手に入りやすい季節のフルーツを紹介しています。

前回は、チャイニーズ・グースベリー(Chinese gooseberry)=キウイフルーツ(Kiwifruit)を紹介しました。

第5回の今回は、「チャイニーズじゃない」グースベリー(Gooseberry)はどうなのということで、グースベリー(Gooseberry)を紹介します。

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グースベリー(Gooseberry)の概要と歴史

グースベリー(Gooseberry)または、グズベリーと呼ばれます。ちなみに文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」では「グーズベリー」と表記されています。

ヨーロッパから西アジア付近が原産とされている、低木の植物になる果実で、大きく分けると「西洋スグリ」と「アメリカスグリ」の2つに分けられます。

日本では、「マルスグリ」や「オオスグリ」と呼ばれています。

なお、名前の「グースベリー(Gooseberry)」とは、アメリカ先住民が、酸味の強い生のグースベリーをダチョウ料理に使っていたことから名付けられたと言われています。

主にヨーロッパやアメリカ、ニュージーランドで生産されており、日本には冷凍物が輸入されています。日本では北海道を中心とした寒冷な一部の地域でのみしか栽培されていないため、生の果実が市場に出回ることは滅多にありません。

外観と中身

スグリ科スグリ属の果物です。

似たものに、レッドカラントやホワイトカラントなどもありますが、それらが房状にたくさん実を付けるのに対し、グースベリーは、枝から1個1個鈴なりに実を付けるという違いがあります。

完熟する前は、透明感のある緑色をしていて、酸味が強いため、ジャムなど加工用に使われます。また、写真のように枝にトゲがあるのも特徴です。

elcorredor / Pixabay

完熟してくると表面全体が赤く(赤紫色)色づいてきます。そうすると酸味も和らぎ、甘みも増えてくるので、生食できるようになります。

alsen / Pixabay

実の大きさは1cmからマスカットブドウほどの大きさになり、中には小さい種がたくさん入っています。

FruitnMore / Pixabay

皮は非常に薄い為、果頂部についてる茶色のガクの部分だけ取り除けば、そのまま食べられます。

購入する時のポイント

果皮には傷がなく、表面に張りのあるものが新鮮です。

スーパーでは売っていないので、自宅で栽培しているか、知人にもらった場合などは、「外観と中身」のところで紹介した未熟と完熟の違いとそれぞれの用途を覚えて、活用してください。

日本での旬は6月中旬から7月頃です。

保存方法

すぐに食べない場合は、乾燥を防ぐためジップロックなどの密閉袋に入れ、冷蔵庫で保管します。それでもあまり日持ちはしないので、長期保存したい場合は加工するか冷凍保存にしましょう。

食べ方

完熟し、赤く色づいたものは、生で食べても甘酸っぱく美味しいです。

また、名前の「グースベリー(Gooseberry)」の通り、生のものが昔からダチョウ料理に合う酸味の強いソースとして使われてきました。なお、生で緑色のものもジャムとして煮付めると、赤くルビー色に変化するのも不思議です。

味と食感

未熟なものは生では酸味が強いため、ジャムなど加工用に使われます。

完熟したものは、ちょっと甘酸っぱいぶどうといった感じです。

主な栄養成分(可食部100g中)

数値データは、文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」による。データシートには「グーズベリー(生)」としか記載がない為確信は持てませんが、通常未熟なものは生で食べないので、当サイトでは完熟したもののデータとして扱います。(利用可能炭水化物当量(糖分)の量が結構あるので、「完熟した甘いもの」と考えてほぼ間違いないと思います。)

エネルギー:52kcalキウイフルーツ(Kiwifruit))とほぼ同じ

水分:85.2g

タンパク質:1.0g

脂質:0.1g

炭水化物:13.2g

利用可能炭水化物当量:10.9g(糖分は、キウイフルーツ(Kiwifruit)(緑肉種)の9.8gよりも多い)

カリウム:200mg

カルシウム:14mg

:1.3mg

マンガン:0.15mg

葉酸:47μg

ビタミンC:22mg

水溶性と不溶性の食物繊維合計の食物繊維総量:2.5g

ビタミンE(α-トコフェロール):1.0mg

グースベリー1粒の重量と可食部100gはどのぐらい?

グースベリー(生)1粒の重さは、品種にもよりますが、約2~5g前後です。

生の場合、食べられない部分はガクの部分のみで、廃棄率はたった1%しかありません。

よって、可食部100g分は20~50粒ほどになります。

期待される健康効果

・鉄

鉄は、摂取した内の60~70%ほどが血液中に取り込まれ、血液中の「赤血球」を構成するヘモグロビンの原料になります。また、残りの分は肝臓や脾臓に運ばれ、「貯蔵鉄」として蓄えられます。

ヘモグロビンは、呼吸により取りいれた酸素と結びつき、血管に乗って体中隅々にまで「酸素を運搬する」という、重要な働きを担っています。その為、鉄分が不足し「鉄欠乏性貧血」になると、ヘモグロビンが十分に活躍できず、全身に酸素が十分行き渡らなくなるので、体内で「酸素欠乏状態」となってしまいます。

その結果、疲れやすくなったり頭痛がしたり、また無理に心臓のポンプ機能でそれを補おうとするため、心臓に負担が掛かり、胸が痛くなったり、動悸や息切れがするといった症状として現れます。

身体の機能を働かせるために必要不可欠な「酸素」を十分に供給するためにも、鉄分はしっかりと取ってください。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、鉄分の1日の摂取推奨量は成人男性:7.0~7.5mg、成人女性:6.0~6.5mgです。

グースベリー(生)可食部100g(成分含有量1.3mg)で、成人男性なら一日の必要量の17.3%、成人女性で20.0%が摂取出来ます。

鉄の多い果物には他に、ココナッツファイバー(成分含有量ダントツ12.86mg)、中国(甘栗)(成分含有量2.0mg)、ロンガン(乾)(成分含有量1.7mg)、いちじく(乾)(成分含有量1.7mg)、アボカド(成分含有量0.8mg)、なつめやし(デーツ)(成分含有量0.8mg)などが、

野菜では、パセリ(生)(成分含有量7.5mg)、とんぶり(茹)(成分含有量2.8mg)、えだまめ(茹)(成分含有量2.5mg)、グリーンピース(茹)(成分含有量2.2mg)、そらまめ(茹)(成分含有量2.1mg)、小松菜(茹)(成分含有量2.1mg)、ほうれんそう(油いため)(成分含有量1.2mg)、モロヘイヤ(生)(成分含有量1.0mg)などがあります。

 

・葉酸

葉酸には、造血作用がありビタミンB12と共に、赤血球を作るのに欠かせない成分です。特に貧血気味の方妊婦さんにはおススメです。また、細胞分裂をサポートする働きもある為、胎児や成長期の乳幼児には欠かせません。

葉酸の1日の摂取目安量は、成人男性、成人女性ともに:240μg、妊婦さんの場合は倍の480μgです。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015年版による。)

グースベリー(生)可食部100g(成分含有量47μg)で、成人男性、女性の一日の必要量の19.6%が摂取出来ます。

葉酸の多い果物には他に、ドリアン(成分含有量150μg)、ライチ(成分含有量100μg)、チェリモヤ(成分含有量90μg)、パッションフルーツ(成分含有量86μg)、アボカド(成分含有量84μg)などが、

野菜では、えだまめ(茹)(成分含有量260μg)、アスパラガス(油いため)(成分含有量220μg)、とうみょう(豆苗)(油いため)(成分含有量180μg)、クレソン(生)(成分含有量150μg)、ほうれんそう(油いため)(成分含有量140μg)、そらまめ(茹)(成分含有量120μg)などがあります。

 

・ビタミンC

ビタミンCには、酸化された物質をもとに戻す還元作用があります。また、酸化の対象となる物質に先んじて自ら酸化することで、対象物質を守る「抗酸化作用」もあります。

さらには、日焼けと関係する黒色のメラニンを、無色の還元メラニンにすることで、シミやそばかすを緩和する働きもあります。

また、その抗酸化作用により、様々な病気の予防に関わっています。

ビタミンCの1日の摂取目安量は、成人男性、成人女性ともに100mgです。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015年版による。)

グースベリー(生)可食部100g(成分含有量22mg)で、一日の必要量の22%(成人男性・女性とも)が摂取出来ます。

参考までにビタミンCが多いと一般的に思われている「レモン100%果汁」の含有量は100g当り50mgです。

ビタミンCの多い果物には他に、アセロラ(成分含有量1700mg)、グアバ(成分含有量220mg)、キウイフルーツ(黄肉種)(成分含有量140mg)、ロンガン(成分含有量84mg)、ポメロ(成分含有量61mg)などが、

野菜では、赤ピーマン(油いため)(成分含有量180mg)、パセリ(成分含有量120mg)、とうがらし(生)(成分含有量120mg)、にがうり(ゴーヤ)(成分含有量75mg)、モロヘイヤ(生)(成分含有量65mg)などがあります。

 

・食物繊維

食物繊維は、便秘解消腸内の掃除に効果があります。グースベリー(生)可食部100gに含まれる食物繊維総量は2.5gです。

参考までに食物繊維が多いと言われる「さつまいも(蒸し)」ですら、実は含有量は2.3g(可食部100g中)なので、それよりも多く含まれています。

食物繊維の1日の摂取目安量は、成人男性:20g以上、成人女性:18g以上です。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015年版による。)

グースベリー(生)可食部100g(成分含有量2.5g)で、一日の必要量、成人男性の場合12.5%、成人女性の場合13.9%を摂取出来ます。

食物繊維が多い果物には他に、ココナッツファイバー(成分含有量ダントツ35.7g)、中国(成分含有量8.5g)、なつめやし(デーツ)(成分含有量7.0g)、アボカド(成分含有量5.3g)、グアバ(成分含有量5.1g)、バンレンシ/シュガーアップル(成分含有量4.4g)などが、

野菜では、とうがらし(生)(成分含有量10.3g)、グリーンピース(茹)(成分含有量8.6g)、アーティチョーク(茹)(成分含有量8.6g)、とんぶり(茹)(成分含有量7.1g)、パセリ(成分含有量6.8g)、にんにく(生)(成分含有量6.2g)、モロヘイヤ(生)(成分含有量5.9g)、オクラ(生)(成分含有量5.0g)やえだまめ(茹)(成分含有量4.6g)、ほうれんそう(油いため、成分含有量4.6g)、そして、ごぼう(成分含有量6.1g)などがあります。

 

・ビタミンE(α-トコフェロール)

脂溶性のビタミンE(α-トコフェロール)は、活性酸素の攻撃から細胞膜を守る働きをしています。また、体内にある脂質が酸化した物を「過酸化脂質」と呼び、老化や生活習慣病の原因となります。特に40歳を過ぎた辺りから急激に血中の過酸化脂質の量が増加しますが、ビタミンEには、脂質が「過酸化脂質」になるのを防止する働きがあります。

また、毛細血管を拡張し、血流を改善するため、冷え性の体質改善に効果もあります。

ビタミンEの一日の摂取目安量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、成人男性:6.5mg、成人女性:6.0mgです。

グースベリー(生)可食部100g(成分含有量1.0mg)で、一日の必要量の成人男性で15.4%、成人女性で16.7%が摂取出来ます。

ビタミンEを多く含む果物には他に、アボカド(成分含有量3.3mg)、うめ(成分含有量3.3mg)、きんかん(成分含有量2.6mg)、ドリアン(成分含有量2.3mg)、ぐみ(成分含有量2.2mg)、マンゴー(成分含有量1.8mg)、あんず(成分含有量1.7mg)、ブルーベリー(成分含有量1.7mg)、レモン全果(成分含有量1.6mg)などが、

野菜では、モロヘイヤ(生)(成分含有量6.5mg)、にら(油いため、成分含有量4.1mg)、ほうれんそう(油いため、成分含有量4.8mg)、西洋かぼちゃ(茹で、成分含有量4.7mg)、赤ピーマン(油いため、成分含有量4.4mg)、とうみょう(豆苗)(油いため)(成分含有量3.7mg)などがあります。

 

まとめ

グースベリー(生)には、「鉄」、「葉酸」、「ビタミンC」、「食物繊維」、「ビタミンE(α-トコフェロール)」が多く含まれ、可食部100gで1日の必要量の10%以上は、まかなえます。

しかし、先にも話をした通り、グースベリー(生)1粒の重さは、約2~5g前後とあまり重くはないため、生で100g分を摂ろうとすると、かなり大変です。

そのため、加熱しソースやジャムにして加工したものを摂取するほうが良さそうです。

一般市場に出回ることはほとんどありませんが、手に入った時には、是非食べてみて下さい。

では、また次回。